ユナイトきょうと緊急特別企画「まねーろんだりんぐ」!?―福山和人弁護士に聴く、自民党京都府連の公職選挙法違反疑惑

自民党京都府連組織ぐるみの公職選挙法違反疑惑が報じられています。 

文春オンライン「自民党「爆弾男」を告発する〈元自民党職員・議員が明かす1億円超「選挙買収」の実態〉」(2月11日)を皮切りとして、関テレ報道RUNNER「自民・京都府連「選挙買収」疑惑 関係者が激白「政権与党のやるべきことでない」引継書に「マネーロンダリング」 (2022年2月28日)、毎日放送「自民・京都府連の『マネーロンダリング疑惑』元職員が「実態」を証言...府連から金を受け取った元府議『買収ではない』と主張 関係者らを独自取材」(2022年3月3日) などです。

2014年の衆議院選挙、さらに昨年の衆議院選挙でも候補者が選挙目的のために京都府連を介して府議や市議に現金を支給したというの疑惑です。 

国会議員候補が府連にお金を寄付し、府連が府議や市議に活動費を支給するのは別に問題ないんじゃない?という声も聴かれます。 京都府選出の西田昌司議員や、二之湯智議員も、「党勢拡大」のためだから問題ないと語っています。 

本当のところはどうなのでしょうか? 

公職選挙法に詳しい福山和人弁護士に聴いてみました。 「目からウロコ」の話が盛りだくさんです。 ぜひご視聴ください! 

福山弁護士のお話を聴いた上で、「でも、このへんはどうなの?」みたいな質問が浮かんできましたら、ぜひユナイトきょうと事務局(unitekyoto2020@gmail.com)までお寄せください。福山弁護士にお話をうかがって、ユナイトきょうとFBなどにお答えを掲載することにします。 


福山弁護士のお話のポイントになる部分をまとめてみました。 

Point1! 

・西田議員や二之湯議員は「党勢拡大」のためと言っているが、党勢拡大と選挙目的は二者択一ではない。党勢拡大のための究極の方法が、選挙で当選させること。 

Point2! 

・選挙目的かどうかは、当事者がどう言っているかというではなく、客観的事実に基づいて判断する必要がある。今回のケースの場合、選挙直前に、候補者が、選挙の実働部隊である市議や府議に払っている。選挙のない年にはお金のやりとりをしていない。自民党京都府連の会計担当者のエクセルファイルに「選挙収支」と書かれており、選挙目的であることを記した引き継ぎ文書もある。また、二之湯議員は「選挙を戦うのに50万円くらいは必要」と国会で答えてもいる。 

Point3! 

自民党京都府連の引き継ぎ文書は、かつて府連の事務局長だった人が裁判所に提出したもの。出所不明の「怪文書」ではない。 

Point4! 

・選挙において大切なのは、なんとかしてこの人を当選させたいという思いの強さ。自民党の府議や市議が国会議員の候補を応援するのは当たり前と思いがちだが、いつも士気が高まっているわけではない。だから、こうした事態が起こる。 

Point5! 

・今回のケースで政治資金規正法に基づく収支報告書に載せてあるから問題なという言い方もなされている。でも、選挙運動資金の上限は有権者の数などに応じて例えば2500万円までというように決まっている。そのお金を(政治資金規正法に基づく収支報告書だけでなく)公選法に基づく収支報告書に載せなくてはいけないのに、載せていない。だから選挙運動には出てこない「裏金」ということになる。 

Point6! 

・二之湯議員は「国会議員に支払われる政党助成金を地方議員にも払ってお互いに一緒にがんばろうということだ」と答えている。つまり今回の買収疑惑の元手は、わたしたちの税金といえる。 

Point7! 

・府議・市議に渡されたお金の使い道が何がということは今のところ明らかになっていない。ただし、お金の使い道について公選法は問題としていない、当選する目的のために金品の供与があれば公選法違反となる。 

Point8! 

・選挙においてもっとも重視されるべきは「表現の自由」。公選法は選挙において重要な「表現の自由」を縛っている。たとえば、個別訪問を禁止している。このように市民が選挙にかかわろうとすると公職選挙法で手足が二重三重に縛られてしまう。歩くのが困難な人を投票所に連れて行くことすら、対価をもらわない場合には「利益の供与」とみなされてしまう。そうした中で、与党の人が選挙目的のために「裏金」を使っているということ。 

Point9!

 ・民主主義の根本は。みんなが自由にしゃべり、聞き、意見交換する中で自己決定をしていくこと。フィンランドやスウェーデンでは各政党のエース級の人が学校に来てプレゼンをして、街中にブースも出て意見交換が行われて、子どもたちによる模擬投票が行われる。そうした中で主権者として育ち、30代の女性が国のトップになるということもある。その対極にあるのが自民党の金権政治。本当の民主義のために金権政治を終わらせなくてはならない。

ユナイトきょうと

「ユナイトきょうと」は、自分たちの暮らしといのちを守るための政治のあり方を自分たちで考え、実現していこうとする個人の集まりです。全国的な市民連合のネットワークともつながっています。

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